雪が降るかもという悪天候の中、木材の彫刻加工のためお客様が来社されました。
建築関連のお仕事をされているお客様でルームプレートへの彫刻を行いました。
様々は木材の葉の形にカットされた12mm程度のシュリサクラにアルファベットと葉の形の木材の名前を平仮名で彫刻しました。
シュリサクラは北海道から中国地方の北部にかけて分布している木材です。その中でも特に北海道の日高地方で生育している木材が特に良いとされています。
輸入材のチェリーと比較して赤みが強い事が特徴の木材で華やかさの中に奥深さのある日本的な家具の材料として重宝されています。
葉の形のカットは腕のいい職人さんに糸ノコで型紙通りに加工していただいたそうです。
レーザー加工だとカット面が焦げてしまいますが、糸ノコ等の刃物で切断すれば、焦げも無く綺麗に切断出来ます。
彫刻する材料はそれぞれの葉っぱの形で彫刻場所の位置決めには少し工夫がいります。
また一点物への加工ですので、条件出し等には気を使います。
そこで以下の工程で進めました。
- 作業条件出し
糸ノコで切り出す前の四角の原板がありましたので
そちらの裏側でテスト彫刻を行いました。
木材への彫刻の場合は木のヤニが少し彫刻周辺に拡がり
ますので、それを付着させないためにマスキングテープを
貼るケースが有りますが、今回は少しヤニが拡がることも
木材彫刻の味と考えてマスキングテープ無しで彫刻を
行います。
- 位置決め
葉の形に切断されているので、作業原点の確定に工夫を
がいりました。
最初は糸ノコ切断前の四角形の原板に素材をはめ込んで
枠の四角形をレーザー機加工エリアのスケールに合わせて
平行を確保しました。
そして、葉の先の一点を基準点として、レーザーのヘッドを
そこに動かし、制御ソフトのプレビュー機能を使用して
データとヘッドを同じ位置に配置して加工しました。
それでも、イラストレーターの元データと切断加工で
原板内での傾きに少し違いが有りましたので、
イラストレーターデータを実寸大でプリントアウトした
紙を利用して、その紙の上に材料をプリントされた輪郭線
通りに置き、位置決めを行いました。
- 彫刻
テストで算出した作業条件で彫刻加工を行いました。
ナチュラルな木材の良さが表現されている素敵なルームプレートが
出来上がりました。
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